平田朋浩(ひらたともひろ)講師
出身高校:巣鴨高等学校
旭川医大医学部医学科2年(富山大薬学部からの再受験)
入試区分:後期
高校時代の栄光:化学偏差値75
質問担当教科:高校化学・物理メイン
熱帯感染症学に携わりたい
熱帯感染症とは、熱帯で発生する感染症のことで(そのままですが)
これはアフリカなどの地域で起こるのですが、これらの国は先進国ではないため、病気に対する薬の開発などが遅く、対策がなかなかされていないという現状があります。
僕はそこに興味があります。
薬を作れる人たちは先進国に集まってしまっていて、どうしても自国(先進国)に影響のない途上国で蔓延している感染症に対しては対策がおざなりになってしまいます。
例えば去年話題になったエボラなどは、以前からアフリカで流行っていたのですが、昨年アメリカに入ってきて初めて「これはまずいぞ」となり、話題を呼びました。
また、実は日本は感染症対策などの公衆衛生がめちゃめちゃ長けています。基金を作って途上国の公衆衛生の向上に寄与しようという風潮も強いし、国連もそれを応援しています。
日本の強みでもある公衆衛生の分野で、途上国に貢献したいです。
先進国並みの医療を提供できなくても、防げるものが蔓延している状況はなんとかしたいという気持ちがあります。
熱帯感染症に興味を持ったきっかけ
一番初めの興味は単純で、日本には無い病気が世界には沢山あって、かつその病気はめちゃめちゃ致死率が高いという事実を知り、衝撃を受けて興味を持つようになりました。
薬学部→医学部の理由は?
父親が薬剤師だったので、昔から薬は身近な存在でしたし、高校で有機化学を習った際に、人間を動かしているものが有機化学の物質だったということや、一つの薬品に注目してもそれを支えるものが有機化学だったということに魅力を覚え、薬学部に行こうと思いました
富山大学の薬学部に入学しましたが、ある時先輩に「将来は熱帯感染症をやりたい」と話をすると、「それなら医学部に行け」と言われ、医学部への再受験を目指しました。
縁あって、現在は旭川医大で勉強をさせていただいています。
医学部は人間の体の仕組みをしっかり学べてとても有意義です。
一人の患者を見るときに、最初にその人を見るのはお医者さんだし、薬などを投与してその人が回復したところを見る、つまり最後にその人を見るのもお医者さんなんだなぁとひしひしと感じるし、自分の将来像とすごくリンクしている気がしています。
僕は研究室にずっといるのではなく、現地(熱帯地方)にも行って現場で患者さんをみたいという思いがあるので、そのためにも医学部に入り医者を目指していることは無駄ではないんだなと思いました。
今はまだ医学部の知識がなく、自分で具体的に患者さん見たりはできないので、そこに従事している人に話を聞いたり、学生の分際でもできる活動に参加してみたりしています。
この間は長崎大学の熱帯医学研究所に伺い、先生方の話を聞いてきました。
その際に旭川医大出身の先生がいらして、とても嬉しくなりました。
医大塾で働いている理由
純粋に人を教えるのが好きだからです。
旭川の高校生へのメッセージ
高校生の期間は短いので、ひとつ極めたいな、面白いなと思うことを決めてほしいと思います。
僕がいま医学部にいて、やっぱり皆は頭がいいなと思うのですが、「とりあえず医学部に来た」という人も多いように感じます。
いま塾には「哲学をやりたい」という生徒がいますが、その子の話を聞くとすごくいいなぁと感じます。
受験勉強だけにとらわれて高校時代を過ごして欲しくないなと思います。
自分の心を掴むものをひとつ見つけてほしいです。
そのためにも、本をたくさん読んだり、人の話をたくさん聞いたりしてほしいと思います。
決して分厚くて難しいものを読む必要はなくて、薄い導入本でもいいと思います。
私はよく父が薬の話をしてくれたりしたので、「どんな薬なんだろうか」と興味を持つようになりました。大きくなってくると、薬の説明書を見せてくれるようになって、意味はわかりませんでしたがとりあえず眺めているのが楽しくて仕方ありませんでした。
目の前のテストの点数に結びつかないことでも、自分にとってプラスになる都思ったことは意識的にやってほしいというのが高校生への思いです。